交通・ITS

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2014/02/22

開発現場から見たEV・PHV

株式会社東京アールアンドデー/株式会社ピューズ
執行役員 営業担当
宮下 泉 氏

【EV・PHV】<イベント>EV・PHVタウンシンポジウム─in 沖縄─
「開発現場から見たEV・PHV」

30年間に100種類ものEVを開発した経験を活かす

 電気二輪車、小型EV、EVの各種コンセプト車両、トラックやバスのEV化などを手掛ける東京アールアンドデーでは、これまでの30年間に100種類ものEVを開発してきた企業で、自治体の実証実験にEVを提供するなどの実績がある。また、バッテリー交換式のタクシーやバスを開発・製造し、実際に企業や海外で運行されている。
 タクシーは都内で運行されており、バッテリーを交換することで終日EVでの運行が可能だ。また、バッテリーの交換に要する時間は5分程度で、ガソリンの給油と変わらない利便性も実現している。
 バスは、台湾の数カ所で試験運行が行われている。12mクラスの路線バスに約25KWhのバッテリーパックを4〜6個搭載し、100〜150kmの走行が可能だ。そして、バッテリーを交換することで連続運行が可能となる。ちなみに宮下氏によると、台湾政府は2020年までに1000台のEVバスの導入目標が発表されたという。宮下氏は、「台湾における当社のバッテリー交換式EVバスは試験段階だが、実用化に向けて開発を急進させる」と話す。

既存車両のEV化、コンバージョンEVという選択肢

 こうした既存車両のEVへの改造を、「コンバージョンEV」と呼ばれるが、その製造コストについて言及した。宮下氏は、「50KWh程度のバッテリーでは、車両製造コストの4分の1を占める。1つの部品で25%ものコストを占めるバッテリーの価格が下がれば、EVの価格も下がる」と指摘する。
 ただし、「EVバスはごく少量生産のため、なかなか製造コストを下げられない。しかし、仮に同じEVバスを10台作れば、1台の製造コストの半分に、100台作れば3分の1に抑えられると試算している」と説明する。

バスのEV化と超小型EVのエネルギー効率に注目

 EVバスのエネルギー効率における利点にも注目してほしいと訴える。宮下氏の示した資料によると、EVバスの1台のエネルギー消費量は、一般的なEVや超小型EVなどと比較すると非常に大きい。しかし、1人当たりのエネルギー消費に換算すると、電気二輪車よりも小さくなるという。
 また、超小型EVのエネルギー効率の優秀さも見逃せないと強調する。同社では超小型EVの利点を生かした商用車の開発を進めており、2014年5月にはナンバープレートを取得して、秋には販売を開始する予定だという。

(リポート:レビューマガジン社・下地孝雄)
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